心筋梗塞の症状・予防について

心筋梗塞という病気は心臓の筋肉が壊れてしまう病気で、日本人の主な死因として知られています。
いつ発症するかわからない心筋梗塞について適切な知識を身につけて自分の身を守ることが大切です。

心筋梗塞

心筋梗塞とは?

心筋梗塞というのは、心臓の栄養を担う血管が目詰まってしまう病気です。

心臓には冠動脈という動脈が2本あり、この動脈によって心臓は栄養分や酸素を受け取っています。
この冠動脈になんらかの原因で閉塞や目詰まりが起こることで、心臓の筋肉が壊れてしまうのが心筋梗塞という病気です。

冠動脈と血栓、壊死

梗塞というのは血管が詰まることで筋肉や神経が壊れてしまい元に戻らなくなってしまった病態を表します。
心臓や脳神経などの一度壊れてしまったら元に戻らなくなってしまう臓器に起こるので、心筋梗塞や脳梗塞になってしまうと長い後遺症に悩まされることになってしまいます。

心筋梗塞の原因とメカニズム

心筋梗塞を引き起こす原因として広く知られているのは血栓と動脈硬化です。
心臓に栄養を送る冠動脈は非常に細い動脈で、少しでも動脈の太さが狭くなってしまうと大きく血流量が低下してしまうので、わずかな動脈硬化でも心臓にとっては大きな負担になります。
血液中のコレステロールが高いと指摘された人は、必ず投薬治療と生活習慣の改善が必要となります。


用語解説 血栓と動脈硬化

血栓

血栓というのは血管内にできた血液の塊や脂肪の塊です。
血栓が出来る原因は、様々ですが、長時間同じ姿勢をとり続けて椅子に座っていたり、水分の不足などでもできやすくなります。

例えば、飛行機のように長時間座り続けることが避けられない時にできることがあり、いわゆるエコノミークラス症候群という病気として知られています。

血栓ができてしまうと心筋梗塞以外に脳梗塞や腎梗塞などの重要な臓器の障害を引き起こすこともあります。

どの臓器も一度壊れてしまうと人体にとって大きなダメージを与えてしまうことになるので、血栓を作ることが無いように食習慣だけでなく生活習慣の大幅な改善が必要です。

また、動脈硬化は脂質異常症(高脂血症)の患者さんに特に注意が必要な疾患で、血管の壁が硬くなってしまいます。

血管の壁にコレステロールが沈着してしまうと血管の内部に炎症が起こり、やがて血管全体が石灰化をしてしまいます。
血管が石灰化してしまうと血管が伸びることができなくなり、血管の内側がどんどん狭くなってしまうので、やがて心臓が栄養不足になってしまい、心筋梗塞のリスクが大幅に増大します。


心筋梗塞の症状

心筋梗塞の症状を覚えておくと、発症時に素早く気づくことができます。

  • 激しい胸の痛み
  • 息切れ
  • 左肩や首の痛み

心筋梗塞が発症した際にはまず非常に強い胸の痛みが出てきます。
脂汗を流してしまう人もいるくらい非常に強い痛みなので立っていることもできない人もあり、このまま放置してしまうと死に至ることもあります。

また、左肩や首に痛みが出る関連痛という現象が起こるのも心筋梗塞の特徴です。
このような症状が起こった時には素早く救急車を手配し、人を集め、できることであればAEDも手元に用意しておくと役に立つかもしれません。

心筋梗塞を疑う症状が現れた場合には早い段階で治療にこぎつけることが大切です。
特に自分一人で大丈夫だと決めつけてしまうと場合によっては命に関わることになるので、必ず一人で対処しようとせず、周りに手助けを求めるようにしましょう。

心筋梗塞の予防

心筋梗塞の予防に必要なのは動脈硬化の予防です。
このためには生活習慣と食習慣の改善が必要です。

生活習慣の改善

運動習慣の有無は心筋梗塞の予防に非常に大きな影響を与えると言われています。
体内で消費されるエネルギーを消費すると体内でコレステロールの分解や脂質の分解が行われます。
血液中にコレステロールが長期的に蓄積してしまうと動脈硬化の原因になってしまうので、毎日の運動習慣で大きく体調の悪化を改善できます。

脂質異常症や動脈硬化は初期症状に乏しく症状が非常に重篤に悪化してからでなくては気づかないことがほとんどです。
一度硬くなってしまった血管は元に戻らないので、健康に留意しながら運動習慣を管理しましょう。

また、喫煙も動脈硬化を悪化させる原因となりますので、現在喫煙している方は、禁煙することをおすすめします。

食生活の改善

食生活の改善も心筋梗塞の予防に有効です。
バランス良い食生活を身につけましょう。

ちなみに、以前は食事に含まれるコレステロールが、血中のコレステロール濃度を上昇させると考えられており、コレステロールの摂取量を控えるように言われていました。

しかし、近年では食品中のコレステロールと血中のコレステロールの値は関連が無いと発表されています。

参考サイト
【健康の指針】食事コレステロールもう気にしなくていい? 「血中濃度と無関係」 厚労省は抑制目標値「撤廃」

さいごに

心筋梗塞は予防も重要ですが、健康診断へ行くことも重要です。
定期的に健康診断へ行くことで、心筋梗塞に関わる危険因子(血圧や血液検査など)をつかむことができます。

また、万が一症状が出ても自己判断はせず、かかりつけ医や最寄りの病院へすぐに行くことをおすすめします。