タバコを吸うとストレスが解消されるのは幻想

日本では数多くのタバコが販売されていて、現在も多くの方がタバコを吸われているとおもいます。
タバコを吸うとストレスが緩和され、多くの方はリラックスできるものだと思い込んでいるかもしれませんが、実はそれは大きな誤りです。

喫煙とストレス

タバコとストレスの関係を理解して、上手に禁煙ができるように心がけましょう。

喫煙はストレス解消ではなくストレスの原因

喫煙の目的はストレスの緩和と捉えられがちですが、実はストレスの緩和に喫煙はかえって逆効果を及ぼすことがあります。
喫煙をするというのはニコチンを摂取する手段として一般的に行われている手段で、多くの喫煙者はニコチン摂取をリラックスのために行っています。

しかし、タバコのニコチンを含んだ全ての薬物には必ず耐性というものがあります。
やがて1本吸った程度や2本吸った程度では体が満足できなくなり、最終的にはかなりの本数を吸わなければイライラを引き起こしたり、抑うつ気分を引き起こしてしまうことがあるのです。

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このようなストレスを引き起こしてしなうのは脳に原因があります。
脳がタバコを吸うことで、リラックスした経験を記憶していると、ちょっとしたイライラやストレスを解消する手段としてタバコを欲するようになります。
その結果、タバコが無い時にストレスを感じるようになってしまうのです。

喫煙はストレス緩和でなくストレスを生み出すということに気づき、禁煙を進めることが何よりも重要なのです。

ストレスを解消したと錯覚してしまうメカニズム

喫煙とリラックスというのは非常に密接な関係があります。
喫煙はストレスの元になるのですが、実際に喫煙をすることはストレスの緩和作用があるのです。

ニコチンがストレスを緩和するのは脳内の報酬系という神経ネットワークと密接な関係があると言われています。
ニコチンが脳の中にある報酬系を働かせることで脳内にドーパミンが放出され、リラックス効果や快感を得ることができるのです。
脳はなんらかの行為で快感を受け取るとその後繰り返しその行為を求めるようになり、やがて依存が形成されてしまいます。

ニコチンの依存は治療が必要になるほど強い依存作用があり、なかなか自分の努力で辞めることができません。
ニコチンとリラックスや依存の関係に注意を払い、しっかりと治療を受けることが禁煙につながっていきます。

独力で禁煙を進めると失敗に陥りやすく、失敗を繰り返していると禁煙に対して無力感や諦めを感じてしまう原因になってしまいます。
禁煙をする時には脳の仕組みやニコチンの作用のアドバイスを受けながらしっかりと禁煙を続けるように心がけましょう。

タバコは鬱病の原因にもなる

タバコを吸うとストレスがたまるという事実とともに注意しておきたいのがタバコを吸う人とうつ病の関係です。
実は海外で調べられた研究によるとタバコを吸う人はタバコを吸わない人に比べて1.65倍うつ病にかかりやすいと言われています。

このようなうつ病と喫煙の関係は非常に古くから指摘されていて、脳内のドーパミンの放出量の増加を繰り返すことで、脳がドーパミンに鈍感になっていく事がうつ病発症率の上昇の原因と考えられています。

根本的にストレスを解消するには

根本的にストレスを解消する事ができれば禁煙治療を進める上で大きな手助けになります。
このために、まずはストレス解消についてしっかりと考える事が大切です。

人間関係が良好な方ほどストレスを感じにくいと言われているので、喫煙や飲酒などの手段でストレスのコントロールをする必要が減ってきます。

ストレスを感じる原因や、ストレスを緩和する手段を見つめ直すことがストレス緩和の第一歩です。
しっかりとストレスを解消し、禁煙の手助けになるように心がけてください。

さいごに

タバコを吸うことは決してストレス解消ではありません。
喫煙によるストレスの存在を自覚して、一度自分のライフスタイルを見直すことが非常に重要です。

自分の健康を守るだけでなく、身の回りの友人や家族の健康のためにもしっかりと禁煙ができるように心がけることが大切です。

禁煙を考えている方はぜひ病院での禁煙治療を受けられるようにご検討ください。
独力での禁煙ではできないしっかりとした禁煙を目指しましょう。