膵臓がん(膵がん)の予防・症状について

膵臓には実に様々な腫瘍が起こることで知られています。

膵臓がん

上皮性腫瘍という膵臓を構成する細胞から起こる腫瘍の中で、特に外分泌腺という消化液を作り出す部分から起こる腫瘍やインスリンなどの糖分の代謝を調節するホルモンを作り出す内分泌部から起こる腫瘍などの非常に多くの種類の腫瘍が知られています。

特に、内分泌腫瘍は体調に大きな異変をきたし、日常生活が送れなくなるほどのダメージを与える事が知られています。

原因・メカニズム

膵臓は外分泌部・内分泌部の2種類の働きがあり、それぞれ役割が異なっています。

外分泌部からは消化酵素が作られ、内分泌部からは様々なホルモンが作られ、人体の働きを調整しています。
この外分泌部からおこる腫瘍や内分泌部からおこる腫瘍は、非常に様々な種類に分類されていて、これらの病気をまとめて膵臓の腫瘍として捉えられています。

膵臓にがんなどの腫瘍が起こる原因は主に細胞分裂の異常です。

膵臓の内部にある細胞に炎症や老化などの細胞にとって、不都合な刺激が繰り返されてしまうと細胞が壊されてしまいます。

細胞が壊れることで起こる障害は頻回に渡り繰り返されることで、やがて細胞は不完全な形で修復されてしまい、細胞分裂が繰り返されてしまうがん細胞となってしまいます。
がん細胞は正常な細胞に浸潤し、働きを邪魔してしまったり炎症を引き起こしたりして周囲の組織を破壊してしまいます。

また、転移を繰り返すことで全身にがんが広がってしまうこともあるので、このようながん化を食い止めたり、がんが小さい段階で治療を行ったりすることが非常に重要なのです。

症状

膵がんはどのような腫瘍が背景になっているかによって症状が大きく異なります。

基本的な症状は腹痛・黄疸・背中の痛みで、体重の減少や急激な糖尿病の発症が起こります。
肝臓と同様に沈黙の臓器と呼ばれており膵臓がんは基本的に症状が目立ちません。

また、膵臓自体が腹部の奥の方に入っているので、症状を触診や超音波などの検査法で発見することができません。

造影CTやMRIなどの検査法を通じて膵臓がんを発見することができるので、このような検査法を使ってわかりにくい症状の中から膵臓がんを発見することが大切です。

さらに、膵臓がんのうち、内分泌部に起こるがんは症状が様々です。
インスリン産生腫瘍などではインスリンが過剰分泌されてしまい、低血糖になってしまったり、昏睡してしまったりすることがあります。

また、グルカゴンというホルモンを産生する腫瘍ができてしまうと帰って高血糖状態が続いてしまうので、糖尿病のような症状が起こってきます。
膵臓は内分泌部と外分泌部と両方に腫瘍が発症する可能性があるので、それぞれの症状を正確に把握しておくことが大切です。

予防方法

膵臓がんの予防方法を把握しておくことは非常に重要です。
膵臓がんは食生活の改善・生活習慣の改善・禁煙・アルコール摂取制限などの生活習慣の改善によって防ぐことができるので、そのメリットを把握しておくことが大切です。

食生活の改善

食生活の改善で特に重要なのは脂肪分の摂取制限です。
脂肪分の中でも特にコレステロールを摂取してしまうと胆嚢に胆石が溜まってしまいます。

胆石が溜まってくるとやがて膵臓の内部に石が降りてきて石が溜まってしまい、膵臓の内部に消化液が溜まってしまいます。
膵臓の内部に消化液が溜まってしまい繰り返し膵臓がダメージを受けるとやがて膵臓にダメージが溜まってしまうので膵がんになってしまいます。

胆石がたまらないように低脂肪・低コレステロールの食事を心がけるように気をつけることが大切です。
仮に膵臓の内部に膵石が溜まってしまっても治療を受けることで症状が改善できます。

膵臓内部の石を除去することで消化液が正常に小腸に流れるので、症状が緩和し、膵臓がんの予防に効果的です。

生活習慣の改善

生活習慣の改善も非常に重要です。
定期的に運動を行うと血中コレステロールの減少や免疫系の活発化を促すことができます。
運動を行うことで動脈硬化の予防も期待できるので、運動習慣を身につけることは非常に重要です。

禁煙

禁煙によるメリットは膵臓がん以外にも様々なメリットがあります。
肺がんやこう頭がんなどのがんは喫煙によりがんの発症率が上昇しますし、膵臓がんも喫煙と密接な関係があることが判明しています。

禁煙治療は現在保険適応されているので、非常に安価に治療を受けることができるので、積極的に禁煙治療を受けるように心がけてみましょう。

アルコール摂取の制限

アルコール摂取制限も膵臓がんの予防に効果的です。
アルコール摂取により肝臓に負荷が加わったり、糖質の代謝に変化が加わったりするので膵臓の働きが活発化します。

アルコールを繰り返し摂取していると急性膵炎や慢性膵炎になるので、膵臓がんのリスクを高めないためにもアルコール摂取量を制限することが必要です。